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2010年7月30日(金) 05:04 JST

遅いイーモバイルの背景(観察2009年6月)

もとの記事を書いたのは去年の10月のことだった。

それから約8ヶ月が経ったが、東京の府中市の筆者オフィスでは、イーモバイルが遅 いという状況はさらに悪化した。

特にここ1週間(6月中旬)は無茶苦茶遅く、ひどい時はダウンロードのスピードが測定不能(タイムアウト)するような状況で、やっと数字が出ても 24 kbps というような状況である。

去年の10月に、第一弾の 遅いイーモバイルの背景 を書いた時点で、すでにストリーミング系の動画(Gyaoなど)が視聴不可能なレベルにまで遅くなっていたのだが、現状では、更に一般的な速度のインターネット・ラジオですらプチプチ切れて聴くに耐えないレベルにまで遅くなっている。 

また、ブロードバンド基準で作られているホームページやコンテンツを見るのも、かなりストレスを感じる状態である。 添付ファイルがあるようなメールの送受信も結構な時間がかかる。

※ 測定結果の詳細は別の記事 イーモバイル速度が最低記録更新。実用に耐えない領域へ をご覧ください。

また、渋滞の少ない朝方の速度もだいぶ落ちた。 イーモバイルは時間あたりの接続者数が多いほど速度が落ちるため、接続者数が少ない朝方などは比較的流れが良くなるが、それも8ヶ月前の三分の一ほ どの速度しか出ないようになった。(これは8ヶ月前より夜明けが早くなったので、朝から活動する人が増えたという季節的要因もあるかもしれない)

以上が現状である。以下に考察を述べる。

 

まず、上記の状況を踏まえ、いくら加入者数が増えているとは言え、どんどん速度が低下している状況からすると、現在イーモバイルで主流の通信方式であるHSDPAについては設備増強はされていないものと推測される。

イーモバイルは、理論上の最大速度がHSDPA方式よりも出るHSPA+方式へのシフトを始めているが、そちらへの投資に費用がかかるためHSDPA方式での通信環境の改善ということには目が向いていないのかもしれない。

な にせ、UQ WiMax がサービス・インし、WILLCOM CORE XGP も実験的なサービスが開始され、これからモバイル・ブロードバンドの接続業者間で熾烈な競争が開始されることが予想されるわけで、イーモバイルと してもそれらに対抗できるだけのサービスを行っていかなければ明日は無いのだ。 そりゃ、理論上の最大速度が WiMax や XGP より遅いHSDPA方式では戦っていけないだろう。

そ れに、イーモバイルだって、今はまだ接続範囲が狭かったり本格サービスに入っていない UQ WiMax や WILLCOM CORE XGP だけど、これらのサービスが本格化して接続範囲が広がった暁には、今、イーモバイルを使っている顧客がこれらの新しい接続サービスへと乗り換えることは予 想しているだろうから、その将来の顧客減少分も盛り込んで考えれば、もしかしたらHSDPA方式については現状の設備能力で充分であると考えているのかもしれない。

ところで、イーモバイルのHSPA+方 式への取り組みなのだが、これは現実的にあまり意味が無いように思える。イーモバイルのガン社長兼COOは「今年はモバイル・ブロードバンド市場の競争が 激化するだろう。イーモバイルはデータ通信カードに力を入れる。今夏には現在よりも3倍高速化した最大21Mビット/秒のHSPA+ を導入する」と言ったそうだ。

しかし、しかしだよ。 既に多くのイーモバイル・ユーザーが、理論上の最大速度の無意味さに気がついていると思われるわけであり、「じゃ実際に使う際の速度はどうなのよ?」と思っているに違いない。 特に筆者のように折角高い金を払ってD02HWを購入したのに、全く、下り7.2Mbpsという理論値とはほど遠い速度でしか実際の通信が行えない人にとっては、イーモバイルのるHSPA+方式への取り組みは 「宣伝広告のため」 のアドバルーンにしか思えないのだ。

こ れからの時代、うわべの宣伝文句に惑わされることの無い賢い消費者が増えるにつれ、真の勝負は「理論値」ではなく「実測値」をベースとしたコストパフォー マンスの良さでつくようになるだろう。さて、そのモバイル・ブロードバンド接続業者が戦国時代の覇者になれるのか。 観戦者側としては楽しみが増えた…かな?

 

去年の10月に書いた記事: 遅いイーモバイルの背景

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