財政再建団体が増加する可能性
2008年10月16日(木) 11:10 JST
語られることが少なくなった夕張市の財政再建団体転落の話。 だが、今、ただでさえ景気後退状態にあった所での米国発の世界同時株安により、当時、財政再建団体転落を紙一重で免れた市区町村の中に、再び財政再建団体 転落の危機に晒されている所があるのではないかと考えられる。 特に、輸出型産業への依存度が高い所が心配だ。
故郷の大分県国東市。 今は合併により行政範囲が変わったので状況は異なるが、当時、東国東郡国東町であった頃、財政再建団体に転落する一歩手前の状況に あった。 その後、努力によって財政の健全化が進められ、財政再建団体へ転落する可能性は低減していった。しかし、そう余裕がある状態というわけでもない。
大分県国東市と言 えば、大分キャノンやキャノンマテリアルのあるキャノン城下町(ちなみにキャノン以外の大きな企業と言えばソニーセミコンダク タ九州ぐらいなもの) で、それらの直接的な法人市民税、定住型社員が納める市民税、そして社員の消費活動により地 元の商店などにもお金が回り商店などが存続できるわけだから、それも税収に結びつく。 つまり、キャノン関連企業の従業員が減少したら国 東市の税収も減るわけだ。
大分キャノンはキャノンのデジカメ生産拠点だが、恐らく、ここ当面、デジカメの生産にブレーキがかかるのではないかと予想される (詳細は 世界同時株安で大分は 参照)。 従業員の大部分を占めると言われる期間従業員の雇用維持は難しいだろう。 このことから、大分県国 東市が財政再建団体へ転落する可能性が高まったのではないかと推測される。 ここでは、身近な国東市をピックアップしたが、他にも財政再建団体への転落が近づいた市町村というのは結構あるのではないだろうか。もし、そうだとしたら、早目早目に行政は対策(アクション)を取らなければ、傷が深くなるのではないかと危惧している。
(追記) 16日付けの読売新聞が 「神奈川県が2009年度の財源不足額が約1350億円に達する見通しで、県は「危機的な状況で、このままでは財政が破綻する」として徹底的な事務・事業 の見直しを行うよう各部局に通知した」 旨を報じた。 やはり、このような話が増えてくるということは、夕張のような財政再建団体が増える予兆なのではないだろうか。
更に、与謝野経財相が 「年末に税収見通しが出れば、その段階で冷静に物事を考えなければいけない事態が来る」 と述べたとのこと。 現状の財政再建団体判定基準のままだと、多くの市区町村が財政再建団体に転落する可能性が高いので基準を緩くするのではないかと見る向きが多いようだ。
19日付けの大分合同新聞WEB版からは、大分県の財政が厳しさを増す現状が伝わってくるし、20日付けの西日本新聞WEB版からは大分における上半期の倒産が過去最悪ということも伝わってくる。 政府がよほどの景気対策でもやらない限り、下半期は一層厳しい環境になるのは必至で倒産も引き続き高水準で推移するだろう。21日付けの読売新聞WEB版には大分県が2010年度末に県の蓄財がゼロになることを明らかにした旨の記事が掲載された。