株式会社ではなく合同会社
2008年10月 4日(土) 09:20 JST
弊社は株式会社ではなく合同会社。 株式会社にすることも出来ましたが合同会社の方がメリットが高いと判断したからです。 昔は、株式会社は資本金1千万円などのハードルがあり、株式会社という形態は会社の信頼性を高める上で意味があったのですが…
今は、株式会社のハードルは無きに等しい状態。 株式会社にするメリットは、経営する人と資本を出す人を分けることが可能というぐらいなものです。 つまり、株式市場から資金を集めるような会社は株式会社にしなければなりませんが、それ以外の大多数の会社は、株式会社にする必要は無いのです。
特に新たに会社を創ろうという場合、合同会社の方がローコストで、手間も少なく、かつ短期間で登記できますのでメリットがあります。 後日、株式で資金を集めたくなったら、合同会社から株式会社への変更も可能ですので、特に株式会社で設立する必要が無ければ、とりあえず合同会社で設立しておけばいいのではないかと思います。
また、設立後も株式会社のような事務手続き上の無駄な手間やコストを省くことができます。 例えば、株式会社の場合、役員の任期が法的に定められているため、単に続投しているだけなのに役員の任期切れに伴う登記変更手続きが必要になり、手間やコストがかかります。 一方、合同会社の場合にはそのような手間やコストは不要です。 また、合同会社の場合、株式会社のような決算公告も義務ではありませんし、利益分配も自由設計です。 なにせ、合同会社では資本は社員(法的な意味での社員、単純な資本金を出さない従業員は含まない)が出していますから、資本に関する法的規制はゆるいのです。
そんなこんなで、別に株式市場から資金を集めることもない大多数の会社は、合同会社の方がメリットが高いわけです。 合同会社はイメージが株式会社に劣るなどのデメリットが無いわけではありませんが、翻訳サービス合同会社の「登記簿謄本の翻訳サービス」(翻訳会社ソリュテックより移管)のような、他の翻訳会社と比較することが無意味なほど強力なサービス(あるいは商品)を持っている場合、株式会社だろうが合同会社だろうが、そのサービス(あるいは商品)を購入することになるわけで、わざわざブランドイメージだけのために株式会社にするのはナンセンスというものです。 逆に、実がなくてハッタリで商売するような会社は、株式会社を選ぶということになるでしょう。
現に、名より実を取る外資系の会社の中には、有名な会社であっても、株式会社から合同会社に変更した例があります。 例えば、インターネットを使ったハイテク通信で有名な「シスコシステムズ合同会社」やマルチレベルマーケティング(MLM)で友人から商品を購入した方も多いのではないかと思う「日本アムウェイ合同会社」です。
あと、ビジネスのドメインが多岐にわたる場合、大きな会社1本で行くか、ドメインごとに小さな会社を複数走らせるかという経営スタイルの問題が出てきます。 大きな会社はブルドーザー型、小さな会社はネズミ形とでも言いましょう、どちらも強力です。 ちなみに、小さな会社のメリットについては、別に記事に書いてありますのでそちらをご参照ください。 さて、この大きな会社で行くスタイルと小さな会社で行くスタイル、どちらが良いとは言いにくい面もありますが、インターネットの世界では、ドメインごとに小さな会社を複数走らせた方が有利と考えられます。 と、いうことで、小さな会社を創る時に「合同会社」という形式を活用できるわけです。
今、1年で5000社以上の合同会社が設立されているようで、会社形態の中で合同会社の占める割合は急激に増加しているようです。 ですので、今はまで合同会社は株式会社に比べてマイナーな存在ですが、更に合同会社の占める割合が増加すると、あちらこちらで合同会社という文字を見かけるようになることでしょう。
最後に予断ですが、シスコシステムズ合同会社にせよ、日本アムウェイ合同会社にせよ、合同会社は G.K. (Goudou Kaisha) と略しています。 合同会社は一般的に LLC と略されることが多いのですが、日本の合同会社は海外の本家 LLC に学んでいるとは言え、異なる部分もありイコールではないので、特に外資系の会社では本家 LLC と同一視されて混乱してしまうのを防ぐために G.K. と略しているものと考えられます。 ちなみに、日本で登記した会社の英文社名については、特にルールは無く、会社が自由に定めることができます。 なので、おなじみ ”Co., Ltd" でも、"Inc." でも "L.L.C." でもOKです。
長くなってしまいましたが、弊社が株式会社ではなく合同会社を会社形態として選択した理由がわかっていただけだでしょうか。
翻訳サービス合同会社 たぶき